
製造現場では、AIカメラにAIアプリをインストールすることによって保護具の着用・未着用や作業者の転倒、設定エリアへの侵入、単独作業など、さまざまな状態を自動で検知できるようになってきました。
こうしたAIカメラの検知結果を、現場への通知や設備側の制御・記録に活用したい場合に有効なのが、AIアプリと「Connected PLC™ for i-PRO」の組み合わせです。AIアプリで検知した情報を「Connected PLC™ for i-PRO」を通じてPLCへ通知することで、パトライトや表示器による注意喚起、設備情報と組み合わせた記録など、AIカメラの検知結果を設備側の仕組みと連携して活用できます。
この仕組みは、i-PRO社製AIカメラに株式会社ネクストシステムが提供するAIアプリと、当社の「Connected PLC™ for i-PRO」をインストールし、アプリケーション間の連携設定を行うことで実現します。
本記事では、保護具検知・転倒検知・侵入検知・単独検知の4つのAIアプリを例に、「Connected PLC™ for i-PRO」と組み合わせることで実現できる活用方法をご紹介します。
1. i-PRO社製AIカメラ向けAIアプリでさまざまな状態を検知
株式会社ネクストシステムは、i-PRO社製AIカメラに直接インストールして使う複数のAIアプリを提供しています。今回紹介する4つのアプリは、いずれもカメラ単体で動作し、検知するとアラーム通知を行う点は共通していますが、「何を検知するか」がそれぞれ異なります。
保護具検知アプリ for i-PRO
保護具検知アプリ for i-PROは、作業者の保護具の着用・未着用をリアルタイムに検知するアプリです。検知できる保護具は4点で、着用時に検知するか、未着用時に検知するかを設定できます。手袋のように着用が別の事故につながる場面も想定し、着用・未着用のどちらを検知対象にするかを柔軟に選べるようになっています。
「保護具検知アプリ for i-PRO」の詳しい機能や活用方法については、株式会社ネクストシステムの製品ページをご覧ください。
転倒検知アプリ for i-PRO
転倒検知アプリ for i-PROは、人物の転倒をAIが自動で検知し、検知するアプリです。転倒に加えて、這い・膝立ち・しゃがみ・前かがみ・床座り・椅子座りを含む計7種類の状態を識別でき、どの状態を検知対象にするかはチェックボックスで簡単に選択できます。
「転倒検知アプリ for i-PRO」の詳しい機能や活用方法については、株式会社ネクストシステムの製品ページをご覧ください。
侵入検知アプリ for i-PRO
侵入検知アプリ for i-PROは、設定した検知領域に人体が指定時間以上とどまった場合に異常と判定し、検知するアプリです。姿勢推定AIエンジンを使い、全身を対象にするか、手首や顔など特定の部位を対象にするかを選べるほか、検知エリアは最大5つまで同時に設定できます。
「侵入検知アプリ for i-PRO」の詳しい機能や活用方法については、株式会社ネクストシステムの製品ページをご覧ください。
単独検知アプリ for i-PRO
単独検知アプリ for i-PROは、i-PRO社製AIカメラにインストールすることで、現場での単独作業をリアルタイムに検知するアプリです。複数名での作業が求められる現場や、夜間・人目につきにくい場所、危険区域などでの単独作業の見守りに活用できます。
「単独検知アプリ for i-PRO」の詳しい機能や活用方法については、株式会社ネクストシステムの製品ページをご覧ください。
2.AIカメラの検知結果をPLCへ通知する仕組み

これら4つのAIアプリは、いずれもi-PRO社製AIカメラ上で検知からアラーム通知までを行うことができます。ここに「Connected PLC™ for i-PRO」を組み合わせることで、カメラが検知した情報をPLCへ通知し、製造設備側の仕組みと連携できるようになります。
Connected PLC™ for i-PROは、i-PRO社製AIカメラにインストールして使用するPLC連携アプリケーションです。三菱電機、オムロン、キーエンスのPLCに加え、OPC UAサーバーにも対応しており、LAN(Ethernet)経由でPLCと通信します。
AIアプリが保護具の未着用や作業者の転倒、設定エリアへの侵入、単独作業などを検知すると、Connected PLC™ for i-PROがその検知結果をPLC内の指定デバイスへ書き込みます。これにより、AIカメラが捉えた異常をPLC側でも一つの情報として受け取り、設備の稼働情報などと組み合わせて扱うことができます。
たとえば、AIカメラが異常を検知したことをきっかけに、現場への通知や設備状態の記録など、PLC側の仕組みと連携した運用へつなげることができます。カメラ単体で「検知して知らせる」だけでなく、検知結果を製造設備側へ渡し、その後の対応に活用できる点がConnected PLC™ for i-PROを組み合わせるメリットです。
なお、Connected PLC™ for i-PROが担うのは、AIカメラの検知結果をPLCへ通知する役割です。通知された情報をラインの自動停止など実際の設備制御に利用する場合は、既存のPLCプログラムや使用中のデバイスとの整合性、安全設計などを別途確認する必要があります。また、AIカメラによる検知は、安全機器や安全制御そのものを代替するものではありません。
Connected PLC™ for i-PROについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
3.AIアプリ × Connected PLC™ for i-PROの活用例
ここからは、4つのAIアプリとConnected PLC™ for i-PROを組み合わせた具体的な活用イメージを紹介します。

保護具検知アプリ for i-PRO × Connected PLC™ for i-PRO
たとえば、ヘルメットなどの保護具を着用していない作業者が作業エリアに入った場合、保護具検知アプリ for i-PROが未着用を検知し、そのアラーム情報をConnected PLC™ for i-PROを通じてPLCへ通知できます。
PLC側でその情報を受け取ることで、パトライトや表示器などの外部機器と組み合わせて現場へ知らせる運用が可能になります。また、検知した時刻と設備の稼働状況をあわせて記録しておけば、「どの設備がどのような状態のときに未着用が発生したか」を後から確認する際にも役立ちます。
転倒検知アプリ for i-PRO × Connected PLC™ for i-PRO
工場や倉庫などでは、作業者が転倒しても周囲に人がいない場合、異常の発見が遅れる可能性があります。転倒検知アプリ for i-PROが作業者の転倒や床座りなどの状態を検知した際、その情報をConnected PLC™ for i-PROからPLCへ通知しておくことで、現場側の通知システムと組み合わせ、担当者が異常に気づきやすい仕組みを構築できます。
さらに、検知したタイミングの設備稼働状況とあわせて確認することで、転倒が発生した際の周辺設備の状態を把握し、初動対応や事後確認に活用できます。
侵入検知アプリ for i-PRO × Connected PLC™ for i-PRO
設備の周辺や立入制限エリアなど、あらかじめ設定した範囲に人が侵入した場合には、侵入検知アプリ for i-PROでその状態を検知できます。
全身を対象とした侵入検知だけでなく、手首や顔など特定の身体部位を検知対象として設定できる点も特長です。たとえば、作業者が手を入れてはいけないエリアへ手を伸ばした場合など、身体の一部が設定した領域へ侵入した状態を検知することができます。
検知結果をConnected PLC™ for i-PROを通じてPLCへ通知することで、積層信号灯や表示器などと連携し、現場の作業者へ注意を促すといった活用ができます。また、侵入が発生した時点の設備状態と検知情報をあわせて扱うことで、発生時の状況確認にも役立ちます。
単独検知アプリ for i-PRO × Connected PLC™ for i-PRO
複数名での作業が求められる現場や、夜間・人目につきにくい場所などで作業者が単独で作業している状態を、単独検知アプリ for i-PROでリアルタイムに検知できます。
検知結果をConnected PLC™ for i-PROを通じてPLCへ通知することで、パトライトや表示器などの外部機器と連携し、本人や周囲の作業者、担当者へ注意を促す運用につなげることができます。また、検知した時刻と設備の稼働状況をあわせて扱うことで、単独作業が発生した際の状況確認にも活用できます。
なお、AIカメラによる侵入検知は、安全PLCや安全柵などの既存の安全対策を代替するものではありません。既存の安全対策と組み合わせ、現場の安全管理を補助する仕組みとして活用することが前提となります。
4.よくある質問
Q: Connected PLC™ for i-PROを導入するために、既存のPLCプログラムを変更する必要はありますか?
Connected PLC™ for i-PROは、既存のPLCプログラムを変更せずに導入できます。AIカメラの検知結果をPLC内の指定デバイスへ書き込むことで連携します。
ただし、PLCへ通知された情報をライン停止などの設備制御に利用する場合は、既存のPLCプログラムや使用するデバイスとの整合性を確認し、必要に応じてPLC側の制御を検討する必要があります。
Q:AIカメラが異常を検知したら、設備を自動停止できますか?
AIカメラの検知結果をPLCへ通知することは可能ですが、Connected PLC™ for i-PRO自体が設備の安全制御を行うものではありません。ライン停止などの設備制御に利用する場合は、PLC側の制御プログラムや安全設計を含めて別途検討する必要があります。
Q:どのPLCと連携できますか?
Connected PLC™ for i-PROは、三菱電機、オムロン、キーエンスのPLCに対応しているほか、OPC UAサーバーとの連携にも対応しています。LAN(Ethernet)経由でAIカメラと接続します。
5.まとめ
AIカメラで異常を検知しても、その情報を現場の対応や設備側の仕組みにつなげられなければ、活用の範囲は限られてしまいます。
Connected PLC™ for i-PROを組み合わせることで、保護具の未着用、作業者の転倒、設定エリアへの侵入、単独作業といったAIカメラの検知結果をPLCへ通知し、設備情報や現場の通知システムと連携して活用できるようになります。
AIカメラによる「検知」を、現場での「気づき」や「対応」につなげられることが、Connected PLC™ for i-PROを活用する大きなメリットです。
6.Connected PLC™ for i-PROの導入について
Connected PLC™ for i-PROは、i-PRO社製AIカメラにインストールして使用するPLC連携アプリケーションです。既存のPLCプログラムを変更せずに導入でき、AIカメラやAIアプリが検知した情報をPLCへ通知する仕組みを追加できます。
「自社のPLC環境で利用できるか確認したい」「使用しているAIアプリと連携できるか相談したい」「導入コストや構成例を知りたい」といった場合は、製品ページをご確認いただくか、当社までお問い合わせください。

