
製造現場や物流現場では、設備停止や搬送トラブルが発生しても、発生時の状況をすぐに確認できず、原因確認や復旧対応に時間がかかることがあります。
また、装置メーカーや保守担当者にとっても、「止まった」「壊れた」と連絡を受けた際に、現場の状況が分からなければ、適切な対応を判断しにくいという課題があります。
そこで活用できるのが、設備監視用ドライブレコーダーとしての映像記録です。自動車のドライブレコーダーが事故前後の状況を記録するように、設備停止や異常発生の前後を映像で残すことで、発生時の状況確認や復旧対応を効率化できます。
本記事では、i-PRO社製カメラと当社製PLC連携アプリケーションを組み合わせ、設備監視用ドライブレコーダーとして活用する方法を、6パターンの活用事例で紹介します。
1. 設備監視用ドライブレコーダーとは

設備監視用ドライブレコーダーとは、PLCから取得する設備信号やアラーム情報を活用し、設備停止や異常発生の前後を映像で記録・確認しやすくする仕組みです。
一般的な常時録画では、長時間の映像から問題発生場面を探す必要があります。一方、PLCの設備信号やアラーム情報をトリガーに映像を記録できれば、必要な場面をすぐに確認しやすくなります。
設備停止や搬送トラブルの発生時に、発生前後の映像を確認できるため、原因確認や復旧対応の効率化に役立ちます。
2. 設備監視に映像記録を活用するメリット
設備監視に映像記録を活用すると、設備停止や異常発生時の状況を後から確認でき、原因確認や復旧対応を効率化しやすくなります。
- 異常発生前後の設備状態やワークの動きを確認できる
- 聞き取りや記憶に頼らず、実際の映像で状況を把握できる
- 復旧対応や再発防止策の検討に活用できる
- 常時録画より、必要な映像を探す時間を短縮しやすい
3. 設備監視用ドライブレコーダーの活用事例
ここからは、PLC連携による設備監視用ドライブレコーダーの活用事例を紹介します。
活用事例1|設備停止時の状況をすぐに確認する

製造現場では、設備停止やチョコ停が発生しても、発生時の状況をすぐに確認できないことがあります。
固定カメラで常時録画していても、長時間の映像の中から問題発生場面を探すには時間がかかります。
その結果、録画データはあるものの、停止原因の確認に時間を要してしまうケースがあります。
PLCの設備信号やアラーム情報をトリガーに映像を記録できれば、必要な映像だけを確認しやすくなります。
停止前後の設備動作やワークの状態を確認できるため、現場で何が起きたのかを把握しやすくなります。
特に、以下のような場面で活用できます。
- 設備停止時の状況確認
- ワーク詰まりや位置ずれの確認
- センサー検知前後の状態確認
設備停止の原因をすぐに確認したい現場では、映像記録を設備監視用ドライブレコーダーとして活用することで、原因確認の効率化が期待できます。
活用事例2|搬送トラブルの発生箇所を把握する

物流倉庫や搬送ラインでは、搬送トラブルが発生しても、どこで何が起きたのかをすぐに把握できないことがあります。
例えば、搬送中のワーク詰まり、位置ずれ、排出不良、搬送物の滞留などは、発生後に現場を確認しても、すでに状態が変わっている場合があります。
映像記録を活用すれば、搬送トラブル発生時の映像を確認し、発生箇所に素早くフォーカスできます。
搬送トラブルの映像が残っていれば、以下のような確認に役立ちます。
- どの位置で搬送が止まったのか
- ワークがどのように詰まったのか
- 搬送物の姿勢や向きに問題がなかったか
搬送ラインや物流倉庫では、トラブル発生箇所を早く把握できることが、初期対応や再発防止につながります。
活用事例3|既存設備に後付けで映像記録を導入する

既存設備に映像記録を導入したいと思っても、PLCプログラム変更やデバッグ工数が必要になると、導入に踏み切りにくい場合があります。
特に、稼働中の設備では、制御プログラムへの変更が生産に影響する可能性があります。
そのため、映像記録の必要性を感じていても、「既存設備に手を加えるのは不安」「生産効率が下がるのではないか」といった理由で導入が進まないことがあります。
本構成では、PLCプログラム変更不要で動作検証を開始しやすい点が特長です。
既存設備への後付けで映像記録を導入できれば、以下のような進め方がしやすくなります。
既存設備に大きな変更を加えず、設備監視用ドライブレコーダーとして映像記録を始めたい場合に有効です。
当社では、i-PRO社製カメラを活用し、PLCや設備信号と連携して異常発生前後の映像を記録できる「設備監視用ドライブレコーダー」としての構成を提案しています。
設備停止や搬送トラブルの発生時に、必要な映像をすぐに確認できる仕組みを検討してみませんか。
活用事例4|装置異常の発生前後を記録する

装置で異常が発生しても、保守担当者が現地に到着した頃には異常が再現しないことがあります。
このような場合、PLCのアラーム履歴や現場担当者への聞き取りだけでは、発生時に何が起きていたのかを確認しにくく、原因確認に時間がかかります。
異常発生前後の映像を記録しておけば、現地で異常が再現しなくても、発生時の状況を確認できます。
装置異常の映像記録は、以下のような場面で役立ちます。
- 異常発生直前の装置状態を確認する
- ワークや部品の動きを確認する
- 周辺設備との関係を確認する
設備異常が再現しにくい現場では、異常発生前後の映像を残すことで、確認作業の負担を減らしやすくなります。
活用事例5|装置の付加価値として映像記録を提案する

設備監視用ドライブレコーダーは、製造現場のトラブル確認だけでなく、装置メーカーが自社装置の付加価値として提案する用途にも活用できます。
装置メーカーにとって、装置の性能や基本機能だけで差別化することが難しい場合があります。
また、納入後のトラブル対応では、ユーザーから「止まった」「異常が出た」と連絡を受けても、現場の状況が分からなければ、原因確認や復旧対応に時間がかかります。
装置に異常時の映像記録機能を付加できれば、ユーザーに対して、設備状態の見える化や保守性向上を提案できます。
例えば、以下のような提案が可能になります。
- 異常発生時の映像を残せる装置として提案する
- 納入後のトラブル確認を効率化できる装置として提案する
- 保守性や運用性を高める機能として訴求する
装置メーカーにとっては、映像記録を単なるカメラ追加ではなく、装置の提案価値を高める機能として活用できます。
活用事例6|問い合わせ時の状況確認と復旧対応に活用する

装置や設備の保守対応では、ユーザーから「壊れた」「止まった」と連絡を受けても、現場の状況が分からないことがあります。
電話やメールだけでは、設備がどのような状態で停止したのか、周辺で何が起きていたのか、現地対応が必要なのかを判断しにくい場合があります。
その結果、原因確認や復旧対応に時間がかかることがあります。
異常発生前後の映像を確認できれば、問い合わせ時に現場の状況を把握しやすくなります。
映像記録があれば、以下のような対応に活用できます。
- 現地対応が必要かどうかを判断しやすい
- ユーザーへの確認事項を絞り込みやすい
- 現場から共有された映像をもとに状況を確認しやすい
装置メーカーや保守部門にとって、問い合わせ時の状況確認に映像を活用できることは、サポート品質向上にもつながります。
4. i-PRO社製カメラを設備監視用ドライブレコーダーとして活用するポイント

ポイントは、以下の3つです。
- PLCの設備信号やアラーム情報をトリガーに映像を記録できる
- PLCプログラム変更不要で導入検討しやすい
- 既存設備への後付けにも対応しやすい
まずは停止が多い工程や搬送トラブルが起きやすい箇所から小さく始め、効果を確認してから対象設備を広げる進め方が有効です。
5. このような現場におすすめ
設備監視用ドライブレコーダーとしての映像記録は、次のような現場におすすめです。
- 設備停止やチョコ停の状況を映像で確認したい
- 搬送トラブルの発生箇所を早く把握したい
- 既存設備に後付けで映像記録を追加したい
- 装置異常の発生前後を記録したい
- 問い合わせ時の状況確認や復旧対応を効率化したい
設備停止や搬送トラブルは、発生時の状況が分からないと、原因確認や復旧対応に時間がかかります。映像記録を活用することで、現場で何が起きたのかを確認しやすくなり、対応の効率化につながります。
6. まとめ:設備停止や復旧対応を映像で確認できる仕組みをつくる
設備停止や搬送トラブルが発生した際、発生時の状況を映像で確認できる仕組みがあれば、原因確認や復旧対応を効率化しやすくなります。
設備監視用ドライブレコーダーは、設備停止や異常発生の前後を映像で記録し、後から状況を確認できる仕組みです。常時録画だけでは探しにくい問題発生場面も、設備信号やアラームをトリガーに映像記録できれば、必要な映像を確認しやすくなります。
設備監視用ドライブレコーダーは、設備停止時の状況確認、搬送トラブルの把握、既存設備への後付け、装置異常の記録、装置の付加価値向上、問い合わせ時の復旧対応など、さまざまな用途に活用できます。
7. 関連ページ
この記事で紹介した設備監視用ドライブレコーダーの詳しい構成や機能は、以下の商品ページで紹介しています。


